ミステリー本

沈黙のパレード(東野圭吾)のあらすじと感想!原作がついに映画化!

祝!ついに映画化決定!!

ガリレオ先生こと湯川学シリーズの第三弾です。

今までと同じく、湯川先生が天才的な科学的アプローチで事件を解決していきます。

登場人物や伏線も多いですが、終盤にそれらの繋がりや伏線の回収が怒涛のように展開されていくところは息ができないほど圧巻でした。

それでは、「沈黙のパレード」(東野圭吾)のあらすじと見どころを踏まえた感想をお伝えしたいと思います!(ネタバレなし)

あらすじ

東京から離れた静岡県の小さな街でおきた災現場から2体の白骨化した遺体が発見された。

鑑定の結果、1人は、家主・蓮沼芳枝。もう1人は3年前から行方不明だった並木沙織だった。

並木沙織は、東京にある菊野商店街の食堂の看板娘だった。

小さなころからその食堂に来てくれる常連客にも可愛がられていた。

妹の面倒もよく見る優しいお姉ちゃんでもあった。

沙織が高校2年生の時に、文化祭で歌声を披露すると、その抜群の歌唱力に惚れ込んだ新倉直己にスカウトされて、プロの道をめざして特訓がはじまった。

新倉は自身も音楽の道を突き進んで、過去にプロを目指した1人だった。

19歳になるまで、新倉と妻・留美の元でレッスンを受け、いよいよデビューというところで、沙織が突然と姿を消してしまう。

そして遺体となって発見されてしまったのだ。

なぜ沙織の遺体が縁のない静岡の家から発見されたのか?
家主・蓮沼芳枝との関係は一体何なのか?

鑑定の結果、蓮沼芳枝は6年ほど前に自然死していたと考えられ、沙織の死とは無関係だということがわかる。

芳枝の息子・蓮沼寛一は、佐織の食堂に通っていた一人で、彼女への態度のせいで、周りから疎まれている存在であった。

やがてお店は出禁に。

沙織が失踪したのはその直後だったことから、蓮沼が沙織殺害の容疑者として捜査線上にあがる。

捜査が進むにつれて、証拠も発見され、ほどなくして蓮沼は逮捕されるのだった。

蓮沼は23年前にも別の事件で容疑者となっており、逮捕されていた人物。

当時12歳だった少女を殺害した疑いで逮捕されていた。

この時、捜査担当をしていたのが、草薙刑事だった。

たくさんの証拠品を揃え、蓮沼を逮捕したものの、蓮沼は完全黙秘をつらぬき、下された判決は「無罪」であった。

状況証拠のみでは「有罪」と認められなかったのだ。

そして、今、またしても草薙が沙織の事件の担当刑事になり、容疑者は蓮沼寛一という状況に。

蓮沼は逮捕されるものの、前回と同じように黙秘をつらぬき、証拠不十分で今回も釈放されてしまう。

憤りがおさまらない沙織の遺族や食堂の常連たち。

そして、人生をかけて沙織をプロの歌手にしようと育てていた夫妻。

街がざわつき、動き始める。

そしてある日、蓮沼寛一が寝泊りしている部屋で死因不明の死体として発見された。

警察は沙織殺害事件の復讐とみて、沙織の遺族や関係者らを取り調べ始める。
しかし、「完璧なアリバイ」と「殺害方法の謎」という壁に突き当たり、行き詰まってしまう。

草薙らは、アメリカ帰りの湯川学(ガリレオ先生)とともに事件の真相にせまっていくのだった。

感想と見どころ

読了直後は清々しい気持ちでした。

途中、いろんな立場の人たちの心情や行動に触れていくうちに、何が真実で、何が正しいのか、迷いながら読み進めていました。

とにかく複雑な人間関係で登場人物も多いので、把握するに最初は混乱しました。

(まぁ、特に気にせずに読みすすめていけば、ちゃんと誰が誰かわかるようにわかりやすく構成はされていますが)

町の看板娘の死をきっかけに、街ぐるみで犯人を殺害する復讐計画をたてるという設定が、すでに興味をそそります。

途中、街の人たちが、文化祭でもやるかのように殺害の打ち合わせをしているシーンなんかは、少し異常な感覚を覚えて、ゾクっとしました。

殺された看板娘の恋人をも巻き込んでいく様なんかは、悪いものをみんなで退治にいくぞ!

と、視点を帰ればヒーロー軍団にすらなってしまいそうな雰囲気で、少し置いていかれた感があるほどでした。

殺人計画が役割分担でおこなわれていくために、実は一人一人が全体像を把握しているわけではありません。

そのため、殺人という恐ろしいことも、どこか他人任せな部分もあり、プレッシャーが弱まっているように思えました。

いわゆる責任の分散で、「赤信号、みんなで渡れば怖くない」の精神に近いものがあるのかなと。

誰もが自分が犯人を殺した(実際に手は下していなくても)と思っているところがまた面白い。

だからこそ、街ぐるみでかばいあい、鉄壁なアリバイなどが成立しています。

とにかく伏線が多くて、物語の終盤に、一気に収束して回収されていく展開はやはりとても痛快で気持ちがよかったです。

そして、いつも通り、予想外の犯人に驚かされました。そして動機にも。

トリックに関しては、やはりガリレオ先生。

科学的アプローチから見事に解決していくのは、いつも通りとてもワクワクさせられました。

痛快の一言です。

街ぐるみの犯行をほぼ1人で真相を暴いていく姿は、カッコ良すぎです。

ガリレオ先生の洞察力、推理力はやっぱり半端ないと見せつけられました。

今までのガリレオ先生は事件そのものにしか興味を抱いていいなかったが、今回は違っていました。

情報を得るためとはいえ、少なからず町の人々の感情に溶け込もうとしている。

その変化は、シリーズを読んでいる人にとっては、とても大きな変化だと感じるだろうし、海外出張で一体何があったのだろうか?と気になってしょうがありません(笑)

それにしても、まったく違う角度から最後に犯人があらわれるのには、本当に驚きました。

街の人たちの様々な思惑が複雑に絡み合っていて、事件の真相が最後の最後まで分かりません。

容疑者Xの献身や真夏の方程式など、他のガリレオ長編作品と比べても遜色なく、素直に面白いと感じさせてくれる大作でした!

最後に

ついにこの作品も映画化決定しましたね。

待ちに待ったガリレオ先生の劇場版です。

今までの作品以上に、たくさんの登場人物とその複雑な人間関係や、それぞれの心情、そして終盤の怒涛の展開などをどう表現されるのか?

とても楽しみです!


最後まで読んでいただき、ありがとうございました!