今回ご紹介の作品は、『マスカレード・ナイト』です。
最初の『マスカレード・ホテル』は木村拓哉さんと長澤まさみさんを主役として映画化もされて、大ヒットとなりました。
そして、この作品も同じように映画化されて話題になりましたね!
『マスカレード・ナイト』も犯人からの密告状が届き、ホテルを舞台として捜査がはじまります。
それぞれの事情を抱えたお客様たちの中に、紛れ込む犯人。
警察とホテルマンの視点から犯人が誰なのかを追いかける展開は、とてもスリリングで面白いです。
そんな魅力たっぷりのこの作品のあらすじ(ネタバレなし)を感想とともにご紹介したいと思います!
Contents
マスカレード・ナイトのあらすじ
匿名通報ダイヤルから連絡があり、練馬区のマンションで女性・和泉春菜の死体が発見されました。
マンションで聞き込みをはじめると、被害者宅に出入りする男性の姿が目撃されます。
そして、警視庁に密告状が届きました。
内容は、
「情報提供をさせていただきます。ネオルーム練馬で起きた殺人事件の犯人はが、以下の場所に現れます。逮捕してください。12月31日午後11時 ホテル・コルテシア東京 カウントダウンパーティ会場」
というものでした。
殺害現場となったマンションの共同玄関には防犯カメラが設置されており、そこに写っていた人物がホテルに現れないかを警察は懸命に見張ることになりました。
以前にものこのホテルで事件捜査にあたった新田が、再びホテルマンに扮して捜査にあたることに。
当時一緒に組んだホテル従業員の山岸尚美は、今はコンシェルジュとして働いています。
そして、新田は12月31日に開催されるカウントダウンパーティが「マスカレード・ナイト」という仮想パーティだということを知ります。
そして捜査開始へ。
日下部がチェックインします。
日下部がチェックイン後、尚美にある相談を持ちかけます。
それは、レストランを貸し切りにして、彼女へプロポーズをしたいので、その演出と段取りをお願いしたいとのことでした。
大々的な演出のために、どうしても貸切じゃないとできないというのです。
尚美は早速なんとかできないかと各方面に連絡をとりながら要望に応えようと動きます。
すると、今度はプロポーズされる予定だった女性からプロポーズは断りたいが、彼を傷つけないようにしてほしいと尚美は頼まれます。
日下部が色々と仕込みをしているのは彼女も勘付いていて、なんとかできないかということでした。
尚美は悩みますが、最終的に演出に使う薔薇の花をスイートピーに変えて、「新しいそれぞれの門出」を演出することにしました。
そして、尚美がたてた計画は成功に終わりました。
後日日下部は今度は仲根緑と引き合わせて欲しいと相談にきます。
仲根緑は先日チェックインしたとても綺麗な女性でした。
日下部はその彼女を見かけると、何か運命的なものを感じたようでした。
ふられたばかりなのにと内心尚美と新田はは唖然とし困惑します。
しかし、「無理とは言えない」尚美はなんとか考えます。
浦部幹夫がチェックインしました。
大晦日の前夜から東京のホテルに1人で2泊するのは不自然だと新田は疑いの目を向けます。
続いて、曽野昌明がチェックイン。
家族でチェックインのようですが、いつもは不倫相手とこのホテルを利用している人です。
尚美は依頼を日下部から依頼を受けていた件について、内容を日下部に報告します。
フラワーアレンジメント、シャンパン、夜景を利用した映像のショーをホテルからのプレゼントとして緑に送る。
そして、最後に実はとある男性から頼まれたことだったと伝えて、2人を引き合わせる作戦でした。
夫が姿を見せない緑を警察はマーク。
緑の住所は今は別人が住んでいて、夫の携帯もつながらない状況だと知ります。
そして、またしても警察に密告が入ります。
「春菜を殺した犯人がカウントダウンパーティに仮装して現れるので、その仮装内容を伝える。だから刑事を待機させて、必ず逮捕してほしい」と。
浦部あてにとても重いダンボール箱が届きます。
それを部屋に届けるふりをして新田が部屋へ侵入して、怪しいことがないかをさりげなくチェックします。
すると、浦部のスウェットの足首のところに動物の毛がついていることを発見。
殺された春菜はトリマーでした。
貝塚由里がチェックインします。
家族でチェックインしていた曽野昌明の不倫相手です。
日下部の一件が成功した後、緑達に部屋に来るようにと、新田がよばれました。
そして、緑は夫は本当はいないことを告白します。
(実はこの時にはすでに新田は分かっていた)
病気で死んだ夫と話していたマスカレードナイトが行われるこのホテルでカウントダウンを心の中で一緒にお祝いしたかったということでした。
2人でチェックインして楽しむかのように。
怪しかった浦部の部屋に新田たちが侵入し、浦部の本名は内山幹夫だとわかりました。
警察に追い詰められた内山は全てを告白します。
殺された春菜とは恋仲であったが、不倫をしていました。
それをネタに犯人に脅されて今回の仕事をやらざるをえなかったといいます。
ホテルに泊まって、指示を待っている状態でした。
届いた段ボールの中身は、パーティーのチケット、ペンギンの仮装道具、重みのあるカバンが入っており、それをもって、会場に入るように指示されていました。
一方、パーティー開始前に緑は新田にお礼の伝言を残して、チェックアウトしていました。
そして、いよいよマスカレード・ナイトがスタートします。
はたして真犯人は現れるのか?
複雑に絡み合ったこの事件の真相は一体何なのか?
感想
マスカレードホテルの時と同様、怪しく思える行動が犯人だからなのか、単なるプライベートなんかを見極めながら犯人を探していくとうい設定はとても面白いと思います。
コンシェルジュの尚美が「ホテルマンとして、無理とは言っていはいけない」という信念の元、無理難題を仲間と協力していく様は見ていてとても爽快でした。
犯人は誰なのか?という本筋を追いながら、お客様からの課題をどうやって解決するのか?という見どころが同時並行で進んでいくので、読んでいて途中で中だるみせずにスイスイ読んでいける、見事な構成だと思います。
作中に出てくる言葉で、「怪しんで怪しんで、最後に疑問が解けた時、人は一切疑わなくなる」というセリフがあるのですが、それが東野圭吾さんから読者へのメッセージにもとれて、なるほどな〜と納得してしまいました。
また、「趣味や思考が違う人間の気持ちになって考える。これは刑事とホテルマンの共通点だけれども、目的は真逆で、ホテルマンはおもてなしのため、刑事は相手の嘘を見抜くため」
というセリフもとても印象的で、まさにこれが事件解決のためにかかせない要素となっているのだなと感じました。
登場人物が多いものの、逆にそれだけの人間模様がストーリーがあり、見どころ満載だと思います。
匿名通報した人からはじまり、真犯人まで、本当にたくさんの複雑に絡み合った事実が、収束していくのがとても面白かったです。
見どころ
誰が犯人なのか分からずに接客しながら探るという緊張感があり、とにかくスリリングで、この設定だからこその面白さがあります。
見事なストーリー展開とその構成は、次へ次へとついついページをめくる手が伸びてしまいます。
そして、何と言っても主人公二人の魅力とそのコンビネーション。
新田の刑事としての奇抜な発想は面白いし、ホテルマンとして接客できてしまう器用さもまた面白いですね。
尚美は、とにかくまっすぐで真面目。
ホテルマンとしての意識もめちゃくちゃ高い。
警察にも物怖じせずに信念のもとにひとつひとつ対峙する姿はかっこいいの一言です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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